サイトを管理している東工大/MITの鹿野です。
この度、サイトを新しくリニューアルすることになりました。
どうぞ新しいサイトもよろしくお願い致します。
http://utbjp.blogspot.com/
Sunday, April 18, 2010
Thursday, April 8, 2010
Paul Polak、訪MIT
MIT遠藤です。

今週の月曜日、Paul PolakがMITのD-labの見学とDesignのクラスでの講義のためのMITに訪れました。Paulは1981年にInternational Development Enterprise(IDE)という非常に有名なNPOを立ち上げ、水の感慨システムやポンプのような農業に必要な適正技術を使って途上国を支援しています。現在IDEは世界有数の大きな団体に成長し、活動範囲をインドからアジア諸国、アフリカ、さらにラテンアメリカにまで広げています。Paulとはfacebookやメールで何度かやり取りしたことはありましたが、実際に会うのは今回が初めてでした。
彼の講義は、スライドを使ったプレゼンテーションではなく、ただ彼が学生の前に座り、質問を受けて、自身のさまざまなストーリーを織り交ぜつつ、その質問に答えるというスタイルでした。驚くべきことは、すべての学生が彼の著書「Out of Poverty」を読んでおり、その内容に質問が集中していたことです。その中でも印象的だった質問をいくつか紹介します。
Q. 「本の中では現地のコミュニティーと対話をしなければならないとあるが、はじめていくところにはどうやってコンタクトをとるのか?」
A. 「はじめていくとしても、まったく知らないコミュニティーというのはない。常にすでに知っているコミュニティーを訪ねるのだ。どうやって知るかというと、必ず知り合いが紹介してくれる。ここで大切なのは、ここアメリカでもネットワークを大切にすることなんだ。」
この質問は日本でもよくされたものですが、D-labにいると本当にいろいろな方が話を広げてくださるので、非常にネットワークの大切さを感じます。この下地がまだ日本にはないのでしょう。この我々のネットワークは日本で個々に活動されている方々をサポートできるものの一つかと思っております。
Q. 「国連や世界銀行や政府などが援助しているにも関わらず、同じような国で活動されるのはなぜか?もっと援助が必要な国があるのでは?」
A. 「我々は大きな機関の調査を信用していない。言い方が悪いもしれないが、調査とは大抵10%の人は切り捨てらるもの。我々がやろうとしているのは、自分たちの目でみて、そこに問題があれば、その解決法を一緒に考えること。お金を援助することは必ずしも解決法ではない。」
彼は話の中で"How much they can afford to pay for what?"という言葉を何度も繰り返しました。例えば、農業で必要な水のくみ上げポンプは初期投資は彼らにとって高価かもしれないけれども、農作業の効率が上がり、作物の売り上げもあがれば、彼らは購入する必要があるというのだ。その結果、彼らの生活水準が向上するのだと。Paulは、最終的には寄付や援助に頼らず、彼らを自立させ、一定の経済レベルにまで押し上げることを常に考えているのです。
Paulの話を聞いて、D-labの創設者であるAmy Smithが彼から非常に大きな影響を受けていることを感じました。とくに、実際に現地に行かないと適正技術は作れないと言い切るくらいにまで、現地の人々との対話を重要視するところは、ニーズを理解しそのソリューションを生み出すプロセスを重視する、まさにエンジニアの魂であると感じました。
この夏、Amy Smithが主催するInternational Development Design Summitという学生向けのイベントが7/7から30まで開催されます。毎年適正技術を学び、考えることを行ってきましたが、今年は普及方法に着目し、現在すでにある適正技術を現地に根付かせる方法を提案することを目標にしているようです。場所がコロラドというのも、Paul Polakが現在コロラドに在住しており、彼の参加を呼びかけたことから決まったようです。(このようなイベントに日本の学生も参加すべきであると思うのですが、時期が期末試験と重なる大学が多いことから、難しいとの反応を受けたことがあります。)
授業のあと、簡単に私の授業の紹介と義足を紹介させていただきました。今後普及のネットワークに協力していただけることになりました。我々がもともと義肢装具の研究者であることにもおどろいていただき、エンジニアがこのようなことに目を向けることが大事であるとおっしゃっていました。まさに私が目指すところです。
今週の月曜日、Paul PolakがMITのD-labの見学とDesignのクラスでの講義のためのMITに訪れました。Paulは1981年にInternational Development Enterprise(IDE)という非常に有名なNPOを立ち上げ、水の感慨システムやポンプのような農業に必要な適正技術を使って途上国を支援しています。現在IDEは世界有数の大きな団体に成長し、活動範囲をインドからアジア諸国、アフリカ、さらにラテンアメリカにまで広げています。Paulとはfacebookやメールで何度かやり取りしたことはありましたが、実際に会うのは今回が初めてでした。
彼の講義は、スライドを使ったプレゼンテーションではなく、ただ彼が学生の前に座り、質問を受けて、自身のさまざまなストーリーを織り交ぜつつ、その質問に答えるというスタイルでした。驚くべきことは、すべての学生が彼の著書「Out of Poverty」を読んでおり、その内容に質問が集中していたことです。その中でも印象的だった質問をいくつか紹介します。
Q. 「本の中では現地のコミュニティーと対話をしなければならないとあるが、はじめていくところにはどうやってコンタクトをとるのか?」
A. 「はじめていくとしても、まったく知らないコミュニティーというのはない。常にすでに知っているコミュニティーを訪ねるのだ。どうやって知るかというと、必ず知り合いが紹介してくれる。ここで大切なのは、ここアメリカでもネットワークを大切にすることなんだ。」
この質問は日本でもよくされたものですが、D-labにいると本当にいろいろな方が話を広げてくださるので、非常にネットワークの大切さを感じます。この下地がまだ日本にはないのでしょう。この我々のネットワークは日本で個々に活動されている方々をサポートできるものの一つかと思っております。
Q. 「国連や世界銀行や政府などが援助しているにも関わらず、同じような国で活動されるのはなぜか?もっと援助が必要な国があるのでは?」
A. 「我々は大きな機関の調査を信用していない。言い方が悪いもしれないが、調査とは大抵10%の人は切り捨てらるもの。我々がやろうとしているのは、自分たちの目でみて、そこに問題があれば、その解決法を一緒に考えること。お金を援助することは必ずしも解決法ではない。」
彼は話の中で"How much they can afford to pay for what?"という言葉を何度も繰り返しました。例えば、農業で必要な水のくみ上げポンプは初期投資は彼らにとって高価かもしれないけれども、農作業の効率が上がり、作物の売り上げもあがれば、彼らは購入する必要があるというのだ。その結果、彼らの生活水準が向上するのだと。Paulは、最終的には寄付や援助に頼らず、彼らを自立させ、一定の経済レベルにまで押し上げることを常に考えているのです。
Paulの話を聞いて、D-labの創設者であるAmy Smithが彼から非常に大きな影響を受けていることを感じました。とくに、実際に現地に行かないと適正技術は作れないと言い切るくらいにまで、現地の人々との対話を重要視するところは、ニーズを理解しそのソリューションを生み出すプロセスを重視する、まさにエンジニアの魂であると感じました。
この夏、Amy Smithが主催するInternational Development Design Summitという学生向けのイベントが7/7から30まで開催されます。毎年適正技術を学び、考えることを行ってきましたが、今年は普及方法に着目し、現在すでにある適正技術を現地に根付かせる方法を提案することを目標にしているようです。場所がコロラドというのも、Paul Polakが現在コロラドに在住しており、彼の参加を呼びかけたことから決まったようです。(このようなイベントに日本の学生も参加すべきであると思うのですが、時期が期末試験と重なる大学が多いことから、難しいとの反応を受けたことがあります。)
授業のあと、簡単に私の授業の紹介と義足を紹介させていただきました。今後普及のネットワークに協力していただけることになりました。我々がもともと義肢装具の研究者であることにもおどろいていただき、エンジニアがこのようなことに目を向けることが大事であるとおっしゃっていました。まさに私が目指すところです。
Monday, March 29, 2010
適正技術とは
遠藤です。
今回10日間日本に滞在しましたが、そのうち5回もイベントに招待していただき、たくさんの方々にお会いする機会がありました。D-labのような「技術開発」と「国際開発」の2つの異なる「開発」を組み合わせた試みは日本では新鮮に見えるようで、多くの方に興味を持っていただきました。その中で一番多かった質問のひとつが「適正技術とはなにか?」というものでした。おそらく様々な団体が少しずつ異なる定義をしているかと思いますが、ここではD-labで教えている適正技術について紹介したいと思っております。多くの情報がD-labの教科書として使われている"Mastering the machine revisited: Poverty, aid, and technology"から学んだものです。
適正技術(Appropriate Technology)はもともとは中間技術(Intermediate Technology)という名前で、Ernst Friedrich Schumacherによって提唱されました。彼は名前から予想できるようにドイツ生まれですが、後々イギリスにて有名なEconomic Plannerとして活躍しました。戦後の復興活動の中で、高度な近代技術を用いた暴力的な援助が成功しないことから、ハイエンドでもローエンドでもない中間に存在する技術が、多くの雇用を生み出すということを述べ、中間技術の重要性を述べています。さらにSchumacherは仲間とともに非営利団体Intermediate Technology Development Group(ITDG)を立ち上げ、中間技術の普及に努めたのです。1960年代のことでした。のちにこれらのコンセプトは"Small is Beautifle"という書籍にて発表され、後の適正技術へ続いていきます。
その後、時代と共に戦後復興から途上国開発へと意味合いが変わり始め、中間技術という言葉が一般化されるようになりました。そして、中間技術という言葉は
そこで、Schumacherの死後、ITDGを引き継いだGeorge McRobieらは4つの特徴を引用しつつ、新しい適正技術という言葉を使うようになりました。適正技術とは
technologies designed to suit the needs of the community it is intended for, being culturally sensitive, environmentally responsible and spreading productive employment opportunities.
と紹介されております。
これらの定義の他にもさまざまな団体(OECD、GRET、ATIなど)が適正技術に関する議論をしておりますが、個人的には言葉の定義に関して、最低限の定義は必要とは思いますが、細かく定義しすぎるのは無意味と思っております。大抵の団体は同じような定義をしておりますし、言葉の意味よりも行動のほうが重要だと思っているからです。
なので、「適正技術とはなんですか?」と聞かれたら、D-labのwebsiteのように「現地のニーズ、文化、環境、人などを考慮したうえでの、最善の技術」と簡単に説明させていただいてます。
参考文献
Ian Smillie, "Mastering the machine revisited: Poverty, aid and technology", Practical Action Publishing, 2000
E. F. Schumacher, "Small is beautifle", 1973
"Putting Partnership into Practice", ITDG, 1989
今回10日間日本に滞在しましたが、そのうち5回もイベントに招待していただき、たくさんの方々にお会いする機会がありました。D-labのような「技術開発」と「国際開発」の2つの異なる「開発」を組み合わせた試みは日本では新鮮に見えるようで、多くの方に興味を持っていただきました。その中で一番多かった質問のひとつが「適正技術とはなにか?」というものでした。おそらく様々な団体が少しずつ異なる定義をしているかと思いますが、ここではD-labで教えている適正技術について紹介したいと思っております。多くの情報がD-labの教科書として使われている"Mastering the machine revisited: Poverty, aid, and technology"から学んだものです。
適正技術(Appropriate Technology)はもともとは中間技術(Intermediate Technology)という名前で、Ernst Friedrich Schumacherによって提唱されました。彼は名前から予想できるようにドイツ生まれですが、後々イギリスにて有名なEconomic Plannerとして活躍しました。戦後の復興活動の中で、高度な近代技術を用いた暴力的な援助が成功しないことから、ハイエンドでもローエンドでもない中間に存在する技術が、多くの雇用を生み出すということを述べ、中間技術の重要性を述べています。さらにSchumacherは仲間とともに非営利団体Intermediate Technology Development Group(ITDG)を立ち上げ、中間技術の普及に努めたのです。1960年代のことでした。のちにこれらのコンセプトは"Small is Beautifle"という書籍にて発表され、後の適正技術へ続いていきます。
その後、時代と共に戦後復興から途上国開発へと意味合いが変わり始め、中間技術という言葉が一般化されるようになりました。そして、中間技術という言葉は
- 小型
- 単純
- 安価
- 非暴力
そこで、Schumacherの死後、ITDGを引き継いだGeorge McRobieらは4つの特徴を引用しつつ、新しい適正技術という言葉を使うようになりました。適正技術とは
- コミュニティーの多くの人が必要としている
- 持続可能性を考慮した原材料、資本、労働力を用いる
- コミュニティーの中で所有、制御、稼働、持続が可能である
- 人々のスキルや威厳を向上させることができる
- 人々と環境に非暴力的である
- 社会的、経済的、環境的に持続可能である
technologies designed to suit the needs of the community it is intended for, being culturally sensitive, environmentally responsible and spreading productive employment opportunities.
と紹介されております。
これらの定義の他にもさまざまな団体(OECD、GRET、ATIなど)が適正技術に関する議論をしておりますが、個人的には言葉の定義に関して、最低限の定義は必要とは思いますが、細かく定義しすぎるのは無意味と思っております。大抵の団体は同じような定義をしておりますし、言葉の意味よりも行動のほうが重要だと思っているからです。
なので、「適正技術とはなんですか?」と聞かれたら、D-labのwebsiteのように「現地のニーズ、文化、環境、人などを考慮したうえでの、最善の技術」と簡単に説明させていただいてます。
参考文献
Ian Smillie, "Mastering the machine revisited: Poverty, aid and technology", Practical Action Publishing, 2000
E. F. Schumacher, "Small is beautifle", 1973
"Putting Partnership into Practice", ITDG, 1989
Tuesday, March 23, 2010
スタンフォード大学:Design for extreme affordabilityの授業紹介
こんにちは。この9月からスタンフォード大学のビジネススクールに入学予定の陸です。(ハーバードケネディスクールはビジネススクールとのJoint degree programを設けており、私はこの5月にケネディスクールでの一年目を終えて、9月から西海岸に移る予定です。)
以前、Kopernikのブログに、スタンフォードのDesign for Extreme Affordabilityという適正技術の授業見学の様子をレポートいたしました。
シンポジウム後の補足として、こちらのブログでも内容を紹介させてください。
---
(以下、Kopernikブログより引用)
教室の外では過去の受講生が作った パネルが展示されていました。いくつか紹介します:


②Multi-disciplinary / Collaborative dynamics
授業後にインストラクターに授業の一番のエッセンスを聞いたところ、最も強調し ていたのが「Multi-disciplinary」であることでした。異なるバックグラウンド、スキルセットを持った学生が集まる 中で初めてクリエイティブなアイディア、また包括的なビジネスデザインができるという言葉に大きく共感しました。
ま た、授業の大きな成功要因に、途上国にいるパートナーNGOの存在も挙げていました。パートナーを組んでいるNGOが、日頃の活動を 通して見えてきた現地のニーズや現在使っている製品の問題点などをあらかじめ的を絞って学生に伝えることにより、学生はすぐさまデザ イン思考のプロセスに入れるようです。プロジェクトの最終成果物も、まずはパートナーを組んでいるNGOを通じて現地での実用化の道を 考えるそうで、「現地からの情報吸い上げ」と「現地への製品提供」の双方向のコラボレーションがしっかりしていることが成功の秘訣と なっているようです。
③Practicality
もう一点、授業中繰り返しインストラクターが 強調していて、多少意外だったのが、「現実的であれ」というポイントです。
クリエイティビティという言葉から、ついつい「失 敗してもいいから好きに考えてごらん」という姿勢で臨むのかと思っていたのですが、インストラクターは授業中、繰り返し、「すでに世 の中に同じ製品があるなら、同じものは作るな。『買う』のがベストな解であることもある」「競合サーチを怠るな。100年前のアン ティークで実は必要な機能を満たしている製品をEbayで見つけて、それを改良したチームもある」「まずはパートナーを通じて製品を届けること を考えるように。ベンチャーを作ると、生産インフラから配達ネットワークまで一から作ることになって労力がかかる。」など と、「現実的に最も効率の良い解を考えるように」ということを強調していました。
デザイン思考のエッセンスの一つに「現実的で あること」があるそうですが、どこまでも、「どうやったらユーザーにとってのインパクトを最大化できるか」を中心に考えて いる姿勢の先に初めて成功するデザイン・ビジネスがあることを改めて実感しました。
もちろんこういった現実解を強調する一方 で、「リスクを自由に取れる環境」もばっちり用意されています。授業にはベンチャーキャピタル、弁護士、現地への旅行手配 などのサービスがしっかりついていて、実際にこれらのインフラを利用してベンチャー化したチームもいくつかあるようです。
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たっ た2時間の授業でしたが、途上国向けものづくりのエッセンスが詰まった、実り多い見学となりました。
以前、Kopernikのブログに、スタンフォードのDesign for Extreme Affordabilityという適正技術の授業見学の様子をレポートいたしました。
シンポジウム後の補足として、こちらのブログでも内容を紹介させてください。
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(以下、Kopernikブログより引用)
先週末、スタンフォードを訪問する機会があ り、そこでDesign for extreme affordability という途上国向け製品開発を教える授業 を見学してきました。今日は簡単にその授業の紹介をいたします。この授業は、IDEOの創設者である David Kelleyが率いるD.Schoolというデザインスクールが運営する 授業の一つで、デザイン、エンジニアリング、ビジネスなど異なる分野を専攻する学生が互いのスキルを持ち寄って、提携先の NGOが持ち込んだ途上国でのデザイン課題に取り組んでいます。
授業構成の詳細は、こちらに載っているので見ていただければと思い ますが、授業を見学して感じた特徴についていくつか書いてみようと思います。
①Design Thinking
D.school全体を貫くテーマ が、Design Thinkingという「人間(ユーザー)の生活全体を中心 に、総合的・クリエイティブに、現実的な解を考えよう、というコンセプトです。というと、訳がわからないように聞こえます が、例えばExtreme Affordabilityの授業では下記のようなパーツが織り込まれていました:
-Ethnography
記 述民族学などと訳されますが、マーケティングの手法の一つとしても注目されているもので、ユーザーの生活を文化人類学のように判断を はさむことなく丸ごと観察し、受け入れることで、ユーザーのニーズを理解・特定していくプロセスのことを指します。授業では、始 めは大学付近の消防士やウェイターなど自分とは全く違う生活をしている人を観察させる宿題を出すなどして、Ethnographyを 教えているとのことでした)
-Rapid Prototyping and iteration
製品デザインのプロトタイプを考 えるだけではなく、ビジネスモデル・プロモーションプランまで含めたトータルのビジネスデザインを短時間で考え、何 サイクルも回すことで改善を進めていくプロセスのことです。見学した授業ではちょうど、ベンチャーキャピタルに見せるビジネスプラン のプロトタイプをどう作るか、というエクササイズをやっていて、先生が「製品のポジショニングはこう考えるべし」という エッセンスを5分程度話したあと、5分ほど時間をとって、各チームがポストイットと模造紙を駆使して、アイディアをどんどん書いては 貼っていくというエクササイズを繰り返していました。(これまたマーケティングの世界でも使われる手法の一つで、前職で新ブランド立 ち上げの仕事にかかわっていた時にクライアント企業と行っていたエクササイズを思い出しました。)
D.school全体を貫くテーマ が、Design Thinkingという「人間(ユーザー)の生活全体を中心 に、
-Ethnography
記 述民族学などと訳されますが、
-Rapid Prototyping and iteration
製品デザインのプロトタイプを考 えるだけではなく、
教室の外では過去の受講生が作った パネルが展示されていました。
②Multi-disciplinary / Collaborative dynamics
授業後にインストラクターに授業の一番のエッセンスを聞いたとこ
ま た、授業の大きな成功要因に、
もう一点、授業中繰り返しインストラクターが 強調していて、
クリエイティビティという言葉から、ついつい「
デザイン思考のエッセンスの一つに「現実的で あること」
もちろんこういった現実解を強調する一方 で、「
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たっ た2時間の授業でしたが、
Sunday, March 21, 2010
シンポジウムを終えて~私たちにできる始めの一歩~
3月20日のシンポジウムにご参加くださった皆様、休日にもかかわらず、足をお運びくださり、ありがとうございました。
皆様のおかげでとても実り多い会となりました。終了後の懇親会で、他分野の方々が熱心に意見交換されていたのが大変印象的でした。
さて、シンポジウムを終えて、一つだけ言い足りなかったと後悔していることがあります。
「適正技術教育の輪を日本にも」という掛け声の下、皆さん一人一人へ行動をとるよう呼びかけましたが、果たして「私にもできる気がする」と思えるだけの自信のかけらを与えられたかどうか、と。
第1部の質疑応答で、東京工業大学の学生さんが素晴らしい質問をしてくださいました。
「東工大では、ICT ChannelというサークルでD-Labと同じような活動をしている。しかしながら、学生団体なので十分なリソースのサポートもないし、卒論にすることもできないので学生の時間も割きづらい。D-Labはどのように始まったのか。またどこから資金をもらっているのか。」というものでした。
質疑応答中は時間の都合上、十分にお答えをすることができませんでしたが、「D-Labの活動は良くわかった。では、私たちはどうすればいいのか」という心の叫びが聞こえるようで、シンポジウム終了後も、ボストンへの飛行機の中も、ずっとその質問がつきまとって頭を離れませんでした。
今日はこの場を借りて、私なりの回答を書いてみようと思います。
D-Labは以前のエントリーにもあるとおり、2003年にEdgerton CenterでInstructorをしていたAmy Smithが始めました。初めてコースが開講された頃、私はMITに学部生として在籍していましたが、卒業する2006年まで、D-Labについてはほとんど知りませんでした。 Amy Smithについては、Genius Grantを受賞した2004年に、学内新聞で名前を見かけていましたが、その時の印象も、「へえ、大学内には不思議なことをしている人もいるんだ。」という程度の認識でした。
Edgerton Centerは日本で言えば工学部に併設された工作室、東工大でいえば、「ものつくりセンター」のようなセンターです。そのセンターのインストラクターといえば、いわば「工作室のおっちゃん」(いえ、Amyはおっちゃんではなかったわけですが)。D-Labは決して、華々しく工学部の新規コースとしてデビューしたわけでもなく、学長の戦略的教育プログラム拡張によって導入されたわけでもなく、大学の工作室の隅で、物好きな人がひっそり始めた、ひっそりしたコースだったのです。
そのD-Labは今や、MITのAdmissionのページでも宣伝されるほど、大学にとっての自慢コースの一つになっています。シンポジウムのプレゼンにもあったとおり、12クラスの授業は毎回すべて定員オーバーで生徒の選抜に苦慮するほどです。
どうしてそこまで広まったのか。様々な要因がありますが、本質的にはAmy Smithから始まったD-Labがその後、多数のインストラクター・パートナー団体をはじめ、新たな仲間を巻き込み、常に「オモシロイモノ」を生み出し続けてきたからではないかと思います。Joseが率いるInnovations in International Healthでは、構想段階のものまで含めれば、100以上の医療機器関連の開発が進んでいます。遠藤さんの教えている義足の授業には、MITで最先端の義足を開発するBiomechatronics Groupの知見が生かされています。D-Labからスピンアウトしたベンチャーの一つであるGlobal Cycle Solutionsでは、自転車動力の開発を授業のプロジェクトでとどめるのではなく、ビジネス上、持続可能な方法でアフリカ諸国に導入するやり方が模索されています。
もうすぐYouTubeにアップしますが、Joseや遠藤さんのプレゼンは聞いているだけで、「一・理系人間」としてわくわくしてしまいます。こんな授業があったら受けてみたい、と心から思います。私が今、MITの学部にいたら、間違いなく授業を受けていたでしょう。(現にハーバードから聴講しに行っているクラスもあります。)
・生徒が受けたいと思う授業が提供されている
・受講した生徒に、確かな教育インパクトが出ている(受講した生徒の「目の色が変わった」という声は方々から聞きます)
・授業からスピンアウトした技術が世界中のパートナーから必要とされ、喜ばれている
こんなプログラムを大学がほっておくはずがありません。
始まりのハコは、実はなんでもいいのです。要は、中身をどれだけ情熱を傾けて作りこめるか、なのだと思うのです。
ほかの大学の適正技術教育プログラムを見ると、驚くほどにどの大学でも、一人か二人の情熱あふれる人(+その熱烈な仲間)がプログラムを支えていることがわかります。
CaltechのProduct Design for the Developing WorldはKen PickarというVisiting Professorが、Engineers for a sustainable worldという学生中心の団体(2002年にコーネル大学の大学院生だったRegina Clewlowが始めた団体です)とコラボして始めた授業です。
UC BerkeleyのDesign for Sustainable CommunityはAshok GadgilというLawrence Berkeley National Laboratoryという国立研究所のシニア研究員が2006年に始めたものです。
ミシガン大学機械工学部で始まったGlobal Health Design Specializationというマイナー専攻は、Kathleeen SienkoというAssistant Professorが中心になって立ち上げたものです。(彼女はMITでドクターをしていた頃にD-Labについて知ったようです。)
UC DavisのProgram for International Energy Technologiesというプログラムは、MITのD-Labの発展にもかかわっていたKurt Kornbluthが中心になって設立しています。
書いていくとキリがありませんが、言いたかったのは、今は華やかに見えるアメリカの適正技術教育のプログラムも、最初は、大学の隅っこで、みんなからCrazyだと思われていたかもしれない、(そしておそらくCrazyだった)情熱あふれる誰かの一歩から始まった、ということです。
始めるのに立場は関係ありません。学生だからといって萎縮することも落ち込む必要もありません。
誰にでも、最初の一歩は切り開けるのです。
日本でも、一緒に、「オモシロイコト」、始めませんか。
皆様のおかげでとても実り多い会となりました。終了後の懇親会で、他分野の方々が熱心に意見交換されていたのが大変印象的でした。
さて、シンポジウムを終えて、一つだけ言い足りなかったと後悔していることがあります。
「適正技術教育の輪を日本にも」という掛け声の下、皆さん一人一人へ行動をとるよう呼びかけましたが、果たして「私にもできる気がする」と思えるだけの自信のかけらを与えられたかどうか、と。
第1部の質疑応答で、東京工業大学の学生さんが素晴らしい質問をしてくださいました。
「東工大では、ICT ChannelというサークルでD-Labと同じような活動をしている。しかしながら、学生団体なので十分なリソースのサポートもないし、卒論にすることもできないので学生の時間も割きづらい。D-Labはどのように始まったのか。またどこから資金をもらっているのか。」というものでした。
質疑応答中は時間の都合上、十分にお答えをすることができませんでしたが、「D-Labの活動は良くわかった。では、私たちはどうすればいいのか」という心の叫びが聞こえるようで、シンポジウム終了後も、ボストンへの飛行機の中も、ずっとその質問がつきまとって頭を離れませんでした。
今日はこの場を借りて、私なりの回答を書いてみようと思います。
D-Labは以前のエントリーにもあるとおり、2003年にEdgerton CenterでInstructorをしていたAmy Smithが始めました。初めてコースが開講された頃、私はMITに学部生として在籍していましたが、卒業する2006年まで、D-Labについてはほとんど知りませんでした。 Amy Smithについては、Genius Grantを受賞した2004年に、学内新聞で名前を見かけていましたが、その時の印象も、「へえ、大学内には不思議なことをしている人もいるんだ。」という程度の認識でした。
Edgerton Centerは日本で言えば工学部に併設された工作室、東工大でいえば、「ものつくりセンター」のようなセンターです。そのセンターのインストラクターといえば、いわば「工作室のおっちゃん」(いえ、Amyはおっちゃんではなかったわけですが)。D-Labは決して、華々しく工学部の新規コースとしてデビューしたわけでもなく、学長の戦略的教育プログラム拡張によって導入されたわけでもなく、大学の工作室の隅で、物好きな人がひっそり始めた、ひっそりしたコースだったのです。
そのD-Labは今や、MITのAdmissionのページでも宣伝されるほど、大学にとっての自慢コースの一つになっています。シンポジウムのプレゼンにもあったとおり、12クラスの授業は毎回すべて定員オーバーで生徒の選抜に苦慮するほどです。
どうしてそこまで広まったのか。様々な要因がありますが、本質的にはAmy Smithから始まったD-Labがその後、多数のインストラクター・パートナー団体をはじめ、新たな仲間を巻き込み、常に「オモシロイモノ」を生み出し続けてきたからではないかと思います。Joseが率いるInnovations in International Healthでは、構想段階のものまで含めれば、100以上の医療機器関連の開発が進んでいます。遠藤さんの教えている義足の授業には、MITで最先端の義足を開発するBiomechatronics Groupの知見が生かされています。D-Labからスピンアウトしたベンチャーの一つであるGlobal Cycle Solutionsでは、自転車動力の開発を授業のプロジェクトでとどめるのではなく、ビジネス上、持続可能な方法でアフリカ諸国に導入するやり方が模索されています。
もうすぐYouTubeにアップしますが、Joseや遠藤さんのプレゼンは聞いているだけで、「一・理系人間」としてわくわくしてしまいます。こんな授業があったら受けてみたい、と心から思います。私が今、MITの学部にいたら、間違いなく授業を受けていたでしょう。(現にハーバードから聴講しに行っているクラスもあります。)
・生徒が受けたいと思う授業が提供されている
・受講した生徒に、確かな教育インパクトが出ている(受講した生徒の「目の色が変わった」という声は方々から聞きます)
・授業からスピンアウトした技術が世界中のパートナーから必要とされ、喜ばれている
こんなプログラムを大学がほっておくはずがありません。
始まりのハコは、実はなんでもいいのです。要は、中身をどれだけ情熱を傾けて作りこめるか、なのだと思うのです。
ほかの大学の適正技術教育プログラムを見ると、驚くほどにどの大学でも、一人か二人の情熱あふれる人(+その熱烈な仲間)がプログラムを支えていることがわかります。
CaltechのProduct Design for the Developing WorldはKen PickarというVisiting Professorが、Engineers for a sustainable worldという学生中心の団体(2002年にコーネル大学の大学院生だったRegina Clewlowが始めた団体です)とコラボして始めた授業です。
UC BerkeleyのDesign for Sustainable CommunityはAshok GadgilというLawrence Berkeley National Laboratoryという国立研究所のシニア研究員が2006年に始めたものです。
ミシガン大学機械工学部で始まったGlobal Health Design Specializationというマイナー専攻は、Kathleeen SienkoというAssistant Professorが中心になって立ち上げたものです。(彼女はMITでドクターをしていた頃にD-Labについて知ったようです。)
UC DavisのProgram for International Energy Technologiesというプログラムは、MITのD-Labの発展にもかかわっていたKurt Kornbluthが中心になって設立しています。
書いていくとキリがありませんが、言いたかったのは、今は華やかに見えるアメリカの適正技術教育のプログラムも、最初は、大学の隅っこで、みんなからCrazyだと思われていたかもしれない、(そしておそらくCrazyだった)情熱あふれる誰かの一歩から始まった、ということです。
始めるのに立場は関係ありません。学生だからといって萎縮することも落ち込む必要もありません。
誰にでも、最初の一歩は切り開けるのです。
日本でも、一緒に、「オモシロイコト」、始めませんか。
Friday, March 19, 2010
「大学」×「技術」×「BOP」シンポジウム いよいよ本日
いよいよ、シンポジウム当日となりました!若干名、当日受け付けることが出来る可能性がございますので、もしご希望の方は直接会場受付までお越しください。皆様とお会いできるのを、実行委員一同、楽しみにしております!
Wednesday, March 17, 2010
「大学」×「技術」×「BOP」シンポジウム 定員到達、レセプション申し込み開始のお知らせ
3月20日の「大学」×「技術」×「BOP」シンポジウム、非常に直前の告知にも関わらず多くの皆様に申し込み頂き、ありがとうございます。
現在、定員を上回る参加申し込みを頂きましたことから、キャンセル待ちフォームに切り替えております。最終的な参加可否については、シンポジウム前日までに全ての方にご連絡差し上げますので、ご登録ください。ホール定員との兼ね合いを見ながら、繰り上げるかどうか調整させていただきます。なお、参加申し込みが確定されている方には、メールにて本日ご連絡差し上げました。1人でも多くの方を会場にご案内するため、お手数ですが御都合が悪くなりました場合にはご連絡頂ければ幸いです。
なお、レセプションの受付を開始いたしました。シンポジウム終了後、お隣の部屋でサンドイッチとお飲み物による非常に簡単なものをご用意いたします。(費用は2000円となります)こちらは先着150名、発注の関係で18日(木)午後6時を期限とさせて頂きますので、ご参加を希望されます場合はお早めにご登録ください。
Wednesday, March 10, 2010
【シンポジウム】 「大学」×「技術」×「BOP」 - 日本発、世界を変えるイノベーション
3月20日のイベント詳細が決まりました!多くの方に我々の活動を知っていただく機会になればと願っております。参加申し込みはこちらからお願いします。皆様とお会いできますことを楽しみにしております。
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貧困を始めとする、地球規模の様々な社会問題の解決が求められている中で、世界のトップ大学を中心に「技術」と「国際開発」を組み合わせた実践的教育が注目されています。技術立国を目指し、世界の課題解決を使命とするわが国でも、グローバルリーダー育成、実効性のある国際貢献、さらなる産学官連携に取組み、新たな理工学教育のあり方を世界に発信することが必要です。
本シンポジウムでは、その第一歩として、マサチューセッツ工科大学(MIT)の途上国開発に寄与する先進的講義(D-Lab)、そして日本の大学、産業界における取組みを紹介し、日本で進めるべき理工学教育・産学連携のあり方を考えます。詳細は下記のとおりとなっております。
ご多忙の折とは存じますが、是非ともご臨席をお願い申し上げます。
記
■イベント名
「大学」×「技術」×「BOP」 - 日本発、世界を変えるイノベーション
■ 開催日時・場所
2010年3月20日(土) 10:00 - 17:00
政策研究大学院大学 想海樓ホール
※会場へのアクセスはこちら。
■ 主催
「大学」×「技術」×「BOP」 シンポジウム実行委員会
■ 共催
政策研究大学院大学
■ 参加申込/お問い合わせ
参加申込、およびイベント、その他のお問い合わせは、こちらのサイトよりお願いいたします。
申込期限は3月18日(木)24:00です。
※参加費は無料です。
※定員(250名)到達次第の締め切りとさせて頂きます。
■ プログラム
<午前の部> 10:00 - 12:00
・主催者挨拶
・基調講演 - William H. Saito 氏 (CEO, Intecur, K.K.)
・欧米のトップスクールにおける適正技術教育の広がり - 陸 翔 (ハーバード・ケネディースクール)
第1部 MIT D-Labの取り組み
モデレーター - 陸 翔
・D-Lab の概要 - 遠藤 謙, José Gómez-Márquez(MIT)
・D-Lab Health (医療機器開発)José Gómez-Márquez (MIT)
・D-Lab Prosthetics (義足開発) - 遠藤 謙 (MIT)
<午後の部> 13:00 - 17:00
第2部 日本の大学における取り組み
モデレーター:高田潤一 氏(東京工業大学国際開発工学専攻長)
・エジプト日本科学技術大学 - ラメシュ・ポカレル氏 (九州大学助教)
・BOPを変革する情報通信技術 - アシル・アハメッド 氏 (九州大学准教授)
・ICU サービスラーニングセンター - 本郷好和 氏 (国際基督教大学准教授)
第3部 産業界の取り組み、産学連携への期待
モデレーター: 岡田正大 氏 (慶應ビジネススクール准教授)
・南アジアのソーラー灌漑電気自動車 - 金平直人 氏 (大手コンサルティング会社)
・ガイア・ソーラーランタンプロジェクト - 藤田周子 氏 (ガイア・イニシアティブ事務局長)
・ユーザーイノベーションを通じた途上国向け商品開発 -西山浩平 氏 (エレファントデザイン代表取締役)
・世界中の水をきれいに - 小田 兼利 氏(日本ポリグル会長)
・基調講演 黒川清 氏 (政策研究大学院大学教授)
・閉会の辞
※各部末では、質疑応答、総合討議の時間がございます。
※日本語/英語両方でのセッションを予定しています。
※講演者・タイトルについては、変更の可能性があります。
Tuesday, March 9, 2010
東京大学: AGSでのワークショップ
3月18日(木)のワークショップ詳細が決定しました!"Innovation for Sustainable Development" をテーマに、MITのD-LabからJosé Gómez-Márquezと遠藤謙、東京大学のi.schoolから堀井秀之先生、博報堂ユニバーサルデザインから井上滋樹氏、Ecole Polytechnique Fédérale de Lausanne(EPFL)の建築学科からNing Liu氏に御講演いただきます。パネルディスカッションには、この分野の政策研究に詳しい鎗目雅先生にも加わって頂き、工学、教育、デザイン、建築、政策など様々な角度から、地球規模の社会問題へのイノベーションを増やしてゆくにはどうすべきか議論します。モデレーターはMITの言語学科教授でOCWの中心メンバーでもある宮川繫先生が引き受けてくださいました。
もしお時間が合えば、是非お立ち寄りください。出席には、AGS年次総会への参加登録が必要となります。会場は、医学部教育研究棟13階、第6セミナー室です、ワークショップは全て英語で行われます。イベントの詳細はAGSのホームページをご覧ください。
皆様とお会いできるのを楽しみにしております。
Monday, March 8, 2010
Jaipurfoot Pooja Mukul氏のレクチャー
3月3日、Developing World ProstheticsはJaipurfootのJaipurのクリニックよりPooja Mukul氏を招待し、レクチャーをしていただいた。
9時から14時まではJaipurfootのクリニックでボランティアとして活動し、16時から21時まで自分のクリニックで医者として働いているアクティブな女性です。

彼女は2005年から今のように二足のわらじを履くようになりました。彼女のレクチャーはインドの現状や先進国との違い、我々のような大学機関に求めることなど、非常のおもしろい内容でした。そのいくつかを以下に挙げてみます。
彼女はこの数年StanfordのD.schoolのJoel Salder氏と協力し、Stanford kneeという義足の開発を行ってきました。いわば、我々のライバルです。ただし、ライバルといっても本当に競争していわけではなく、協力して授業の内容を話し合ったり、 Jaipurfootの義足を改善していこうとしております。(ちなみにJoelは昔MITの学部生のときにD-labを受講した人物です。)
義足には、大きく分けてEndo skeleltonとExo skeletonの2種類が存在します。Endo skeletonは、骨の周りに筋肉が着いている人間の筋骨格系と同じように、義足の中心に体重を支える堅い素材を使うのに対し、Exo skeletonは外骨格をもつ蟹のように、外部に堅い素材を使います。Stanford KneeはEndo skeletonを採用し、われわれはExo skeletonと使うという棲み分けをしています。そのために、我々の義足をExo-kneeを呼んでいるのです。
現状では、Stanford KneeはJaipurのクリニックだけだが既に患者に配布されているのに対し、我々の義足は残念ながらNew Delhiのクリニック周辺で3名が試験的に使っているだけです。その理由は、設計した学生が卒業してしまい、プロジェクトが数年ストップしてしまったからです。。これは学生主体のD-labの問題点でもあります。今年は私自ら設計し直し、今年の夏の配布を目指しているところです。
次の日、Poojaと私のアドバイザーHugh Herrを引き合わせました。その理由は、Hughのようなばりばりの研究者にこそ、このような問題に目を向けてほしいからです。最先端技術にばかり偏りがちの大学の研究室ですが、彼のように力もお金もある人物が動けば、少しずつでも適正技術開発にも目を向ける研究者が増えるのではと期待しています。
9時から14時まではJaipurfootのクリニックでボランティアとして活動し、16時から21時まで自分のクリニックで医者として働いているアクティブな女性です。
彼女は2005年から今のように二足のわらじを履くようになりました。彼女のレクチャーはインドの現状や先進国との違い、我々のような大学機関に求めることなど、非常のおもしろい内容でした。そのいくつかを以下に挙げてみます。
- インドの切断患者は先進国と比べて非常に若い。その理由が電車や車の自己(先進国では糖尿病)
- Dr. Wu(Northwestern Univ.)のソケットを作る技術は根付かなかった。その理由は、結局トレーニングを受けた人が必要だったから。(使うのが難しい)
- Jaipurfootにはアメリカからも患者がくる。その理由は、2つめ3つめの義足をつくるには、保険が適用されず、いいものが使えないから。
- Jaipur footは98%の利用者が満足している。
彼女はこの数年StanfordのD.schoolのJoel Salder氏と協力し、Stanford kneeという義足の開発を行ってきました。いわば、我々のライバルです。ただし、ライバルといっても本当に競争していわけではなく、協力して授業の内容を話し合ったり、 Jaipurfootの義足を改善していこうとしております。(ちなみにJoelは昔MITの学部生のときにD-labを受講した人物です。)
義足には、大きく分けてEndo skeleltonとExo skeletonの2種類が存在します。Endo skeletonは、骨の周りに筋肉が着いている人間の筋骨格系と同じように、義足の中心に体重を支える堅い素材を使うのに対し、Exo skeletonは外骨格をもつ蟹のように、外部に堅い素材を使います。Stanford KneeはEndo skeletonを採用し、われわれはExo skeletonと使うという棲み分けをしています。そのために、我々の義足をExo-kneeを呼んでいるのです。
現状では、Stanford KneeはJaipurのクリニックだけだが既に患者に配布されているのに対し、我々の義足は残念ながらNew Delhiのクリニック周辺で3名が試験的に使っているだけです。その理由は、設計した学生が卒業してしまい、プロジェクトが数年ストップしてしまったからです。。これは学生主体のD-labの問題点でもあります。今年は私自ら設計し直し、今年の夏の配布を目指しているところです。
次の日、Poojaと私のアドバイザーHugh Herrを引き合わせました。その理由は、Hughのようなばりばりの研究者にこそ、このような問題に目を向けてほしいからです。最先端技術にばかり偏りがちの大学の研究室ですが、彼のように力もお金もある人物が動けば、少しずつでも適正技術開発にも目を向ける研究者が増えるのではと期待しています。
Monday, March 1, 2010
3月18日、3月20日のイベント
最終案が固まっておらず公開出来ないのですが、現在3月18日と3月20日にも東京でD-Lab関係のイベントを開催する準備を進めております。全ての講演者、会場が確定しましたらブログにも投稿いたします。現段階では、手帳に「イベントがありそう」とだけ記載しておいてください。
3月18日は東京大学本郷キャンパスでAGS年次総会の一部として"Innovation for Sustainable Development"というテーマのセッションを開催する予定です(March 18, Workshop C)。時間は14:00-17:30となります。講演は英語で行われます。
3月20日は我々D-Lab Japan(任意団体)が主催で「大学発、技術を通じた地球規模の社会問題解決」をテーマにした一般公開イベントを開催予定です。時間は朝10時から夕方5時頃までとなりそうです。適正技術、大学国際化、国際貢献、産学連携、BOPビジネス、イノベーション、社会起業、理工系大学教育改革などに興味がある方には満足していただけるシンポジウムになると思います。日本語、英語両方のセッションを予定しております。
Saturday, February 27, 2010
Kopernik中村さん、Ewaさん来MIT
先日Kopernikの創始者である中村さんとEwaさんがMITのD-labを視察にいらっしゃいました。
Kopernikの中村さんとは依然からメールでやり取りをさせていただいていましたが、今回初めて直接会うことができました。

中村さんとEwaさんはD-lab Design、 Healthを聴講し、私の義足のクラスではお願いしてKopernikの発表をしていただきました。学生も非常に興味深々で講義が終わった後も、Kopernikでのインターンに関して質問をしたり、持ってきていただいたライフストローや自分で調節が可能な眼鏡を手に取ってみていました。私自身も実物は初めてみたのですが、その完成度と価格の低さに脱帽です。
Kopernikは現在は、既に存在する製品の普及を主なビジネスモデルにしています。しかし、その裏の活動は実は多岐にわたっており、製品として売り出しているものは少ないが、ポテンシャルの高い技術、普及の初期段階の製品をいかにして世の中に広げていくかというモデルまで提案していただきました。このようなモデルはD-labのような教育機関に非常に有効です。さらには、D-lab DWPとKopernikの協力体制に関するアイデアまで提案していただきました。
今後ともKopernikに目が離せません。
Kopernikの中村さんとは依然からメールでやり取りをさせていただいていましたが、今回初めて直接会うことができました。
中村さんとEwaさんはD-lab Design、 Healthを聴講し、私の義足のクラスではお願いしてKopernikの発表をしていただきました。学生も非常に興味深々で講義が終わった後も、Kopernikでのインターンに関して質問をしたり、持ってきていただいたライフストローや自分で調節が可能な眼鏡を手に取ってみていました。私自身も実物は初めてみたのですが、その完成度と価格の低さに脱帽です。
Kopernikは現在は、既に存在する製品の普及を主なビジネスモデルにしています。しかし、その裏の活動は実は多岐にわたっており、製品として売り出しているものは少ないが、ポテンシャルの高い技術、普及の初期段階の製品をいかにして世の中に広げていくかというモデルまで提案していただきました。このようなモデルはD-labのような教育機関に非常に有効です。さらには、D-lab DWPとKopernikの協力体制に関するアイデアまで提案していただきました。
今後ともKopernikに目が離せません。
Friday, February 26, 2010
D-Lab x 中小企業が持つ先端技術
こんにちは。
前回のポストにもあった遠藤さん、Joseの来日に合わせて、下記のイベントにお二人が参加することになりました!
---
セミナー: 「途上国の問題を日本の先端技術で解決する」
~飛躍する日本のものつくり中小企業~
日時: 3月19日18:00-21:30
場所: 代々木オリンピックセンター国際交流棟第1ミーティングルーム
(申し込みは上記リンクよりお願いいたします)
---
イベントを主催しているETICの皆さん、またETICをご紹介くださったKopernikの中村さん(D-Labにも協力いただいています)に改めて御礼申し上げます。
ほかにも18日、20日にD-Lab関連イベントを予定しています。
皆さんの出席を心よりお待ちしています。
前回のポストにもあった遠藤さん、Joseの来日に合わせて、下記のイベントにお二人が参加することになりました!
---
セミナー: 「途上国の問題を日本の先端技術で解決する」
~飛躍する日本のものつくり中小企業~
日時: 3月19日18:00-21:30
場所: 代々木オリンピックセンター国際交流棟第1ミーティングルーム
(申し込みは上記リンクよりお願いいたします)
---
イベントを主催しているETICの皆さん、またETICをご紹介くださったKopernikの中村さん(D-Labにも協力いただいています)に改めて御礼申し上げます。
ほかにも18日、20日にD-Lab関連イベントを予定しています。
皆さんの出席を心よりお待ちしています。
Tuesday, February 23, 2010
D-Lab Japan Kick-off Events
MITのD-Labのスタッフを3月に日本へ招待することが正式に決まりました!D-Lab Healthを教えているJosé Gómez-Márquez、D-Lab Prostheticsを教えている遠藤謙さんがメインゲストで、3月18日-20日に東京に滞在予定です。私(土谷)も彼らの来日に合わせ、東京に滞在する予定です。イベントの共催、ミーティングにご興味がある方がおられましたら、ご連絡ください。私のメールアドレスは(last name.first name)@gmail.comです。
Thursday, February 18, 2010
ワークショップのご案内: 「日本を通じて世界を変える」
こんにちは。
日本から面白そうなワークショップの案内が流れてきました。
案内を頼まれたので、ここで宣伝させていただきます!
皆さんも良かったら、思いを1分間プレゼンの形でぶつけてきてください!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第4回「日本を通じて世界を変える」
~途上国の国作り、人作りのためにわたしたちができること(仮)~
-------------------------------------------------------------------
2010年2月21日(日)15:00-19:00@渋谷
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
主催:ソーシャルベンチャーセンター(事務局ETIC.)
ソーシャル・チェンジ・ワークショップとは?
環境、格差、福祉、教育、国際協力。毎回、一つの共通テーマのもと、
それぞれの立場でチャレンジを続ける人々が集い、未来へのアイデアを
生み出し、新たな変革へのアクションへと繋げるワークショップ。
各テーマの最前線で挑む実践者を招き、問題意識や解決への戦略を共有
するともに、各参加者が持つ自分自身のテーマを共有し、お互いに
アドバイスを掛け合い、協働の可能性を探ることで前進の機会を掴みます。
多様な思いの種が、ここから様々に成長し花開いていくための
大きな力付けの場となることを目指しています。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃■ プログラム概要&テーマ紹介
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【プログラム】
◎レクチャー 15:00-16:00
「日本を通じて世界を変える」
~発展途上国の国作り、人作りのためにわたしたちができること(仮)
独立行政法人国際協力機構(JICA)民間連携室 参事役
高野剛 (たかの たけし)氏
1982年3月、上智大学外国語学部卒業。
1982年4月、国際協力事業団(JICA、当時)入団。
1999年6月、中南米部南米課長。
2002年3月、ホンジュラス事務所長。
2005年2月、理事長室次長兼理事長秘書役。
2006年10月、産業開発部次長兼民間セクターグループ長。
2009年4月より現職。
◎創発ワークショップ 16:00-17:30
”途上国の国作り、人作り”のために私達に何ができるか?
ご自身がすでに取り組まれている活動内容、もしくは普段から
考えられているアイデアをA3の紙に記入し、お互いに発表しあい、
さらなる発展に向けてのアドバイスを与え合ったり、
協働の可能性を模索します。
*ワークショップ参加までに当日話し合いたい内容を
考えておいてください。アイデアは事前にパワーポイントなどを
使ってA3の紙1枚にまとめておいていただいても構いません。
*外国人の方の参加がある場合、当日の議論は一部英語で行われる
可能性があります。特に通訳等のご準備はありませんので予め
ご理解ください。
◎インタラクティブQ&Aセッション 17:30-18:00
◎交流会 18:00-19:00
*交流会にて、1分プレゼンテーションの機会があります。
ご自身のアイデアをこの場で広めてよりたくさんの仲間作りを
したいという方は事前に事務局svc-info@etic.or.jp まで
ご連絡ください。
【対象者】
・まだアクションは起こしていないが、途上国の社会の課題に取り
組みたい思いが強く、このワークショップを機にアイデアを紙に
落としてアクションのきっかけを掴みたい方。
・会社で途上国の国作りにかかわる新しい提案をしたいと思って
いるがその前にいろんな人の意見をもらってアイデアをブラッシュ
アップしたい方。
・すでに途上国の課題に対してアクションを起こしているが、
自分のアイデアをさらにブラッシュアップし、事業体として
成り立つ確立を高めたい方。
*学生、大学院生、企業にお勤めの方など、様々な視点を
持った方のご参加をお待ちしております!
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃■ 開催概要
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○日時:2月21日(日)15:00~19:00
○会場:ティーズアジアビル B101会議室
http://www.tsrental.jp/location/asia/map.html
〒150-0041 東京都渋谷区神南1-12-16 アジアビルB1・2F・5F
TEL : 03-5457-7881 FAX : 03-5457-7883
○参加費:無料
○申込先:
参加ご希望の方はソーシャルベンチャーセンター
Webページよりお申し込みください。
http://www.etic.or.jp/svc/index.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇お問い合わせ NPO法人ETIC.(担当:山内(亮太)・野田)
東京都渋谷区神南1-5-7 APPLE OHMIビル4階 / TEL:03-5784-2115
MAIL:svc-info@etic.or.jp / WEB:http://www.etic.or.jp/svc/
ソーシャルベンチャーセンターは、東京都の委託を受けETIC.が運営を
行っています。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
日本から面白そうなワークショップの案内が流れてきました。
案内を頼まれたので、ここで宣伝させていただきます!
皆さんも良かったら、思いを1分間プレゼンの形でぶつけてきてください!
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第4回「日本を通じて世界を変える」
~途上国の国作り、人作りのためにわたしたちができること(仮)
------------------------------
2010年2月21日(日)15:00-19:00@渋谷
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主催:ソーシャルベンチャーセンター(事務局ETIC.)
ソーシャル・チェンジ・ワークショップとは?
環境、格差、福祉、教育、国際協力。毎回、
それぞれの立場でチャレンジを続ける人々が集い、
生み出し、新たな変革へのアクションへと繋げるワークショップ。
各テーマの最前線で挑む実践者を招き、
するともに、各参加者が持つ自分自身のテーマを共有し、お互いに
アドバイスを掛け合い、
多様な思いの種が、ここから様々に成長し花開いていくための
大きな力付けの場となることを目指しています。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃■ プログラム概要&テーマ紹介
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【プログラム】
◎レクチャー 15:00-16:00
「日本を通じて世界を変える」
~発展途上国の国作り、人作りのためにわたしたちができること(
独立行政法人国際協力機構(JICA)民間連携室 参事役
高野剛 (たかの たけし)氏
1982年3月、上智大学外国語学部卒業。
1982年4月、国際協力事業団(JICA、当時)入団。
1999年6月、中南米部南米課長。
2002年3月、ホンジュラス事務所長。
2005年2月、理事長室次長兼理事長秘書役。
2006年10月、産業開発部次長兼民間セクターグループ長。
2009年4月より現職。
◎創発ワークショップ 16:00-17:30
”途上国の国作り、人作り”のために私達に何ができるか?
ご自身がすでに取り組まれている活動内容、もしくは普段から
考えられているアイデアをA3の紙に記入し、
さらなる発展に向けてのアドバイスを与え合ったり、
協働の可能性を模索します。
*ワークショップ参加までに当日話し合いたい内容を
考えておいてください。アイデアは事前にパワーポイントなどを
使ってA3の紙1枚にまとめておいていただいても構いません。
*外国人の方の参加がある場合、当日の議論は一部英語で行われる
可能性があります。特に通訳等のご準備はありませんので予め
ご理解ください。
◎インタラクティブQ&Aセッション 17:30-18:00
◎交流会 18:00-19:00
*交流会にて、1分プレゼンテーションの機会があります。
ご自身のアイデアをこの場で広めてよりたくさんの仲間作りを
したいという方は事前に事務局svc-info@etic.
ご連絡ください。
【対象者】
・まだアクションは起こしていないが、途上国の社会の課題に取り
組みたい思いが強く、このワークショップを機にアイデアを紙に
落としてアクションのきっかけを掴みたい方。
・会社で途上国の国作りにかかわる新しい提案をしたいと思って
いるがその前にいろんな人の意見をもらってアイデアをブラッシュ
アップしたい方。
・すでに途上国の課題に対してアクションを起こしているが、
自分のアイデアをさらにブラッシュアップし、事業体として
成り立つ確立を高めたい方。
*学生、大学院生、企業にお勤めの方など、様々な視点を
持った方のご参加をお待ちしております!
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃■ 開催概要
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○日時:2月21日(日)15:00~19:00
○会場:ティーズアジアビル B101会議室
http://www.tsrental.jp/
〒150-0041 東京都渋谷区神南1-12-16 アジアビルB1・2F・5F
TEL : 03-5457-7881 FAX : 03-5457-7883
○参加費:無料
○申込先:
参加ご希望の方はソーシャルベンチャーセンター
Webページよりお申し込みください。
http://www.etic.or.jp/svc/
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◇お問い合わせ NPO法人ETIC.(担当:山内(亮太)・野田)
東京都渋谷区神南1-5-7 APPLE OHMIビル4階 / TEL:03-5784-2115
MAIL:svc-info@etic.or.jp / WEB:http://www.etic.or.jp/svc/
ソーシャルベンチャーセンターは、東京都の委託を受けETIC.
行っています。
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貧困層とは(1)
こんにちは。陸@ボストンです。
これからしばらく、D-Lab技術が対象とする貧困層について、彼らの生活や技術とのかかわりについて、データを交えながら紹介していきたいと思います。
まず、「貧困削減」という時の、貧困層や低所得者層、はたまたBOPビジネスで使われるBase of the Pyramid層、とは誰を指すのでしょうか?
貧困の定義には、絶対定義と相対定義の2種類があり、国際開発で「貧困」という時には、たいてい絶対定義に基づく貧困層を指します。
(一方、日本などの先進国で貧困率を計算する際には、相対的貧困率を使うことが多いです。例えば、最近、日本でも貧困が増えている、と話題になっていますが、その際の基準は、日本国内の平均所得(中央値)の2分の1以下の所得の家計の割合を指しています。)
絶対貧困の定義も、各国・各国際機関で基準はさまざまですが、国を超えて貧困層の比較をするときに頻繁に使われるのが、日収1.25ドル以下の人を「最貧困層(Extreme poverty)」、2ドル以下の人を「貧困層(poverty)」と定めた世界銀行の基準です。
注:ちなみにBOPビジネスで使われる、「BOP層」とは、年収3000ドル以下の消費者層を指します。この定義でいくと、世界人口の約40億人が当てはまります。
さて、ここで、3つ質問です。
①「貧困層」は世界のどの地域に一番多くいるでしょうか?
②貧困はこの20-30年で減っているでしょうか?増えているでしょうか?
③「貧困」は「貧しい国」にいるのでしょうか?それとも各国に「貧しい層」として散らばっているのでしょうか?(例えば、先進国の下位10%と、途上国の上位10%では、どちらのほうが貧しいのでしょうか?)
----
①貧困層はどこにいるか?
皆さん、どの地域を想像しましたか?
2005年の統計データで確認してみましょう。
実は、人数だけで見ると世界で一番貧困層がいるのはアジア、それもインドなのです。
インドは、近年急成長を遂げていますが、人口の約8割はいまだ一日2ドル以下で暮らしています。
実に世界の貧困層の3分の1ですね。
では、貧困は近年、増えているのでしょうか?減っているのでしょうか?
②貧困は減っているか?増えているか?
先ほどと同じデータで、1981年と2005年を比べてみましょう。
最貧困層(一日1ドル以下)の人数推移
日収1ドル以下の最貧困層の合計人数は約19億人から14億人に減っています。
しかし、よく見ると、削減が進んでいるのはほぼ中国・東アジアのみ。アフリカでは過去25年で貧困層がほぼ倍増しています。
1980年から2000年のアジア地域の平均GDP成長率は年率5.8%。一方、アフリカは-0.6%となっています。時々、「経済発展は必ずしも貧困削減につながらないのではないか。」と聞かれることがあります。確かにインドのように、経済発展がすぐに貧困削減に結びつかないケースもありますが(そのインドでも貧困率で見ると1980年から2005年で60%から40%まで下がっています。)、最終的に貧困をなくすには、マクロ経済の成長が欠かせないと個人的には信じています。
一方、日収2ドル以下の貧困層の人口推移はどうでしょうか?
貧困層(1日2ドル以下)の人数推移
ここでも中国の削減ぶりが目立っていますが、合計人数の推移では、貧困層が増加している結果となっています。
世界全体で見ると、残念ながら中国を除いて、貧困は増加しているのがこの20-30年の現状です。
注: このように「貧困層」を切り出すと、「貧困」が「白人」「女性」といった区分ラベルのような印象を受けてしまいますが、「貧困層」はとてもダイナミックなものです。ある調査では、5年間変わらず特定の貧困レベルに属していた人は全体の2割しかおらず、残りの8割は貧困から抜けたり、あらたに貧困に陥った人たちだったということがわかったそうです。つまり、実際に貧困を経験したことのある世界人口は25-26億人よりもずっと多い可能性もあるのです。
③貧富の差は国家間の差か国内の差か?
皆さんは、先進国(上位10%)の貧しい人(国内で下位10%)と、途上国(下位10%)の豊かな人(国内で上位10%)の購買力を比べると、どちらのほうが高いと思いますか?
実は、このクイズを先日、大学院で取っている開発経済の授業でやったのですが、クラスメートの予想は真っ二つに割れていました。
授業で紹介されたシミュレーション結果をご紹介しましょう:
途上国の富裕層の年収 = $3,039
先進国の貧困層の年収 = $9,387
先進国の底辺と途上国のトップを比べてもなお、差は3倍以上開いています。
「日本国内でも貧困率が上がっているのに、世界の貧困にかまっているひまがあるのか。」という質問も時々受けますが、貧しい国は、国内の貧困地域など比べ物にならないほどにやはり貧しいのです。
「貧しい国」という定義で世界を眺めていると、貧困国は圧倒的にアフリカに偏在しています。
例えば、「最貧困層が国民人口に占める割合」で見ると、上位に来るのはリベリア、ジンバブエ、チャド、シエラネオレ、モザンビークなど、アフリカ諸国がほとんどです。
下記のグラフは、横軸に一人当たりGDP、縦軸に平均寿命をとって、各国ごとにプロットしたものです:



青色がアフリカを表していますが、左下の平均寿命も短く、年収も少ない区分に青色が集中しているのがよくわかります。D-Lab発のベンチャーも多くがアフリカを対象にしていますが、その理由もうなずけます。
ということで今日のまとめです。
1.生活の質の向上
2.雇用創出
3.マクロ経済の成長
の三つのカテゴリーに分けて書いていきたいと思います。
これからしばらく、D-Lab技術が対象とする貧困層について、彼らの生活や技術とのかかわりについて、データを交えながら紹介していきたいと思います。
まず、「貧困削減」という時の、貧困層や低所得者層、はたまたBOPビジネスで使われるBase of the Pyramid層、とは誰を指すのでしょうか?
貧困の定義には、絶対定義と相対定義の2種類があり、国際開発で「貧困」という時には、たいてい絶対定義に基づく貧困層を指します。
(一方、日本などの先進国で貧困率を計算する際には、相対的貧困率を使うことが多いです。例えば、最近、日本でも貧困が増えている、と話題になっていますが、その際の基準は、日本国内の平均所得(中央値)の2分の1以下の所得の家計の割合を指しています。)
絶対貧困の定義も、各国・各国際機関で基準はさまざまですが、国を超えて貧困層の比較をするときに頻繁に使われるのが、日収1.25ドル以下の人を「最貧困層(Extreme poverty)」、2ドル以下の人を「貧困層(poverty)」と定めた世界銀行の基準です。
注:ちなみにBOPビジネスで使われる、「BOP層」とは、年収3000ドル以下の消費者層を指します。この定義でいくと、世界人口の約40億人が当てはまります。
さて、ここで、3つ質問です。
①「貧困層」は世界のどの地域に一番多くいるでしょうか?
②貧困はこの20-30年で減っているでしょうか?増えているでしょうか?
③「貧困」は「貧しい国」にいるのでしょうか?それとも各国に「貧しい層」として散らばっているのでしょうか?(例えば、先進国の下位10%と、途上国の上位10%では、どちらのほうが貧しいのでしょうか?)
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①貧困層はどこにいるか?
皆さん、どの地域を想像しましたか?
2005年の統計データで確認してみましょう。
| (百万人) | $1 poverty | $2 poverty |
| 中国 | 207.7 | 473.7 |
| その他東アジア | 108.5 | 255.0 |
| インド | 455.8 | 827.7 |
| 南アジア | 139.8 | 263.8 |
| ヨーロッパ | 17.3 | 41.9 |
| ラテンアメリカ | 46.1 | 91.3 |
| 中東 | 11.0 | 51.5 |
| アフリカ | 390.6 | 556.7 |
| 合計 | 1376.7 | 2561.5 |
実は、人数だけで見ると世界で一番貧困層がいるのはアジア、それもインドなのです。
インドは、近年急成長を遂げていますが、人口の約8割はいまだ一日2ドル以下で暮らしています。
実に世界の貧困層の3分の1ですね。
では、貧困は近年、増えているのでしょうか?減っているのでしょうか?
②貧困は減っているか?増えているか?
先ほどと同じデータで、1981年と2005年を比べてみましょう。
最貧困層(一日1ドル以下)の人数推移
| (百万人) | 1981 | 2005 |
| 中国 | 835.1 | 207.7 |
| その他東アジア | 236.4 | 108.5 |
| インド | 420.5 | 455.8 |
| 南アジア | 127.8 | 139.8 |
| ヨーロッパ | 7.1 | 17.3 |
| ラテンアメリカ | 42.0 | 46.1 |
| 中東 | 13.7 | 11.0 |
| アフリカ | 213.7 | 390.6 |
| 合計 | 1896.2 | 1376.7 |
日収1ドル以下の最貧困層の合計人数は約19億人から14億人に減っています。
しかし、よく見ると、削減が進んでいるのはほぼ中国・東アジアのみ。アフリカでは過去25年で貧困層がほぼ倍増しています。
1980年から2000年のアジア地域の平均GDP成長率は年率5.8%。一方、アフリカは-0.6%となっています。時々、「経済発展は必ずしも貧困削減につながらないのではないか。」と聞かれることがあります。確かにインドのように、経済発展がすぐに貧困削減に結びつかないケースもありますが(そのインドでも貧困率で見ると1980年から2005年で60%から40%まで下がっています。)、最終的に貧困をなくすには、マクロ経済の成長が欠かせないと個人的には信じています。
一方、日収2ドル以下の貧困層の人口推移はどうでしょうか?
貧困層(1日2ドル以下)の人数推移
| (百万人) | 1981 | 2005 |
| 中国 | 972.1 | 473.7 |
| その他東アジア | 305.6 | 255.0 |
| インド | 608.9 | 827.7 |
| 南アジア | 190.6 | 263.8 |
| ヨーロッパ | 35.0 | 41.9 |
| ラテンアメリカ | 82.3 | 91.3 |
| 中東 | 46.3 | 51.5 |
| アフリカ | 294.2 | 556.7 |
| 合計 | 2535.1 | 2561.5 |
ここでも中国の削減ぶりが目立っていますが、合計人数の推移では、貧困層が増加している結果となっています。
世界全体で見ると、残念ながら中国を除いて、貧困は増加しているのがこの20-30年の現状です。
注: このように「貧困層」を切り出すと、「貧困」が「白人」「女性」といった区分ラベルのような印象を受けてしまいますが、「貧困層」はとてもダイナミックなものです。ある調査では、5年間変わらず特定の貧困レベルに属していた人は全体の2割しかおらず、残りの8割は貧困から抜けたり、あらたに貧困に陥った人たちだったということがわかったそうです。つまり、実際に貧困を経験したことのある世界人口は25-26億人よりもずっと多い可能性もあるのです。
③貧富の差は国家間の差か国内の差か?
皆さんは、先進国(上位10%)の貧しい人(国内で下位10%)と、途上国(下位10%)の豊かな人(国内で上位10%)の購買力を比べると、どちらのほうが高いと思いますか?
実は、このクイズを先日、大学院で取っている開発経済の授業でやったのですが、クラスメートの予想は真っ二つに割れていました。
授業で紹介されたシミュレーション結果をご紹介しましょう:
途上国の富裕層の年収 = $3,039
先進国の貧困層の年収 = $9,387
先進国の底辺と途上国のトップを比べてもなお、差は3倍以上開いています。
「日本国内でも貧困率が上がっているのに、世界の貧困にかまっているひまがあるのか。」という質問も時々受けますが、貧しい国は、国内の貧困地域など比べ物にならないほどにやはり貧しいのです。
「貧しい国」という定義で世界を眺めていると、貧困国は圧倒的にアフリカに偏在しています。
例えば、「最貧困層が国民人口に占める割合」で見ると、上位に来るのはリベリア、ジンバブエ、チャド、シエラネオレ、モザンビークなど、アフリカ諸国がほとんどです。
下記のグラフは、横軸に一人当たりGDP、縦軸に平均寿命をとって、各国ごとにプロットしたものです:



青色がアフリカを表していますが、左下の平均寿命も短く、年収も少ない区分に青色が集中しているのがよくわかります。D-Lab発のベンチャーも多くがアフリカを対象にしていますが、その理由もうなずけます。
ということで今日のまとめです。
- 貧困層の定義はさまざまだが、よく使われるのが「一日1ドル/2ドル以下」の定義
- 世界人口の約半数、26億人は一日2ドル以下で暮らしている
- 貧困層は、人数で見ればアジアに最も多く住んでいる
- 貧困は、国内の格差よりも国家間の格差から来ている。「貧困国」は圧倒的にアフリカに偏在
1.生活の質の向上
2.雇用創出
3.マクロ経済の成長
の三つのカテゴリーに分けて書いていきたいと思います。
Tuesday, February 16, 2010
世界でもっとも影響力のあるデザイナー
「デザイナー」と日本語でいうと、芸術/美術的ニュアンスを多く含む傾向にあるけれども、実は機械や建築、都市、さらには経済やwebsiteなど、非物理的なものを形作るときにも「デザイン」という言葉を使います。先日businnesweekにWorld's Most Influential Designersという名目で、27人のデザイナーが紹介されました。IDEOのTim Brown氏や日本の工業デザイナーの深澤直人氏も選ばれています。その中にD-labの創設者Amy Smith氏の名前が挙げられています。
27名の中には名だたるデザイナーたちがいて、Amy Smith氏はその中でも分野的に異色ではありますが、それはローコスト、ローテクノロジーを用いたソリューションがいかに世界に影響を与えているかという証明ではないかと思います。
Monday, February 15, 2010
Jaipurfoot 途上国向けの義足
先日Kopernikの中村さんに依頼され、Jaipurfootについて記事を書かせていただいた。
Kopernikについて(kopernikブログより引用)Jaipurfootは世界最大の義肢装具コミュニティーで、MIT Developing World Prostheticsのパートナーです。数年前に夏にインターンとしてNew Delhiのクリニックへいったときに、途上国向けの義肢装具にもビジネスを考える必要があるという話を伺いました。(そのときに書いた記事はこちら。)当時から、BoP市場向けのビジネス熱はふつふつと感じていましたが、去年から日本でもかなりの盛り上がりを見せています。
Kopernikは、オンライン・マーケットプレースを通じて革新的技術を所有する会社、途上国のNGOそ して一般個人の3アクターをつなげ、BoP向けの革新的な技術・製品を、発展途上国に波及させます。 Kopernikウェブ上で、革新的な技術・製品を掲載し、それを見た途上国の市民団体がどのようにその技術・製品を使いたいかを書いた提案書を作成し、 ウェブ上に掲載します。提案書を見た一般ユーザーは、小規模の献金をし、提案書を実現させます。
Friday, February 12, 2010
自己紹介・越田
日本側メンバーの越田渓と申します。
現在は、慶應義塾大学大学院理工学研究科の修士課程にてバイオメディカル・エンジニアリングの研究を行っております。
科学技術をバックグランドにビジネスを通して、広く社会に貢献したいという思いから、学部生時代は二年間、ダブルディグリー・プログラムとしてフランスのグランゼコール、Ecole Centraleにてゼネラリスト教育を受けました。
さらに、教授に無理を言って帰国を延長し、世界一愉快な国、ブラジルへ三カ月行って参りました。理由は、BRICsと言われるように経済発展著しいブラジルの現状はどのようなのか、あらゆる人種が混ざり合っている、言わば世界の未来のような国の文化・生活はどのようなのか、ちょうど日系移民100周年ということで自分と血がつながった(?)人々は今どのような思いでどのような生活をしているのかを知りたい・・・そして何よりもフランスで出会った多くのブラジル人留学生が本当にSympaで第二の故郷なのではないかと思わされるくらいの魅力を持っていたからです。
この二つの国でそれぞれ異なる現象、しかしどちらも日本には無いものを見ました。
フランス(おそらくイギリスなどもそうかもしれません)は、日本以上に学歴・階級社会です。一度、厳しい競争を勝ち抜いてグランゼコールに入学すると残りの人生の安泰は約束されています。誰もが彼らをエリートとして認め、彼ら自身もそのような自覚を持って生きていくという構図が成り立っています。
逆に、ブラジル(おそらく中国などもそうなのでしょう)は、貧富の差を乗り越え、少しでも社会的に上位の地位に昇りつめようと努力しています。アパートの同居人たちもテストでもないのに毎日夜遅くまで勉強していました。何よりも彼らから感じたのは、ブラジルを少しでも良くしたい、ブラジルに少しでも貢献したいという思いです。そこには強烈な自分自身に対するハングリー精神、国に対するハングリー精神がありました。
私は日本人ですし、日本が大好きですし、日本に対する責任があるので、日本の悪口をここで言うつもりはありません。ですが、この両国で見た現象のどちらもやはり今日本には欠けています。一流校と言われても、何かが約束されているわけでもなく、社会が本当に彼らを認めているわけでもなく、彼ら自身も全く日本を背負っているという自覚はない。逆に、受験という競争を終えてから、問題意識を持って何かに取り組んでいく学生はまだまだ少なく、ハングリー精神というものが大きく欠けているという事実は否めません。
何も期待されず、社会に対する責任もなく、さらに成熟社会において問題意識、ハングリー精神を持ちにくい状態に置かれている日本の学生たち。
そのような日本の未来に対する危機感の中で出会ったのがSTeLAという学生団体でした。こんなにも日本や世界の問題に対して当事者意識を強く持ち、自ら率先して行動している学生がいたのかという驚き。そして、STeLAを通して、出会った他の学生団体の学生も含め、日本にはまだまだ(いや、今だからこそ)こんなにも意識の高い学生がいたのかということ。それぞれが今は分散して活動し、それぞれが行っていること、その社会的価値というものはまだまだ小さいかもしれません。しかし、一人の力は小さく、一時的な効果は弱いかもしれませんが、これらの個が徐々につながってゆき、長期的に成果を積み上げていく先には必ず今より素晴らしい世界が待っていると確信しています。
その一つの発展が、このD-Labです。
途上国への貢献が絶対的な目的であることに間違いはありませんが、このプロジェクトな何よりも途上国以上に日本(の未来)を救うと思います。
成熟した社会、受験・就活・終身雇用というレールに縛られてきた構造、理系・文系というくくり、海外への抵抗感、起業など前例のない新たなことに対する恐れ、これら多くの問題を抱えている日本の学生達。彼らが、自分たちの技術を活かせる場所を見つける、世界にはまだまだ多くの問題があるのだということ、それらに自分たちが貢献できるのだということに気付く、理系・文系なんて関係なく技術を持ってしてどんどん社会問題に取り組んでいく必要がある、みんなと同じ道ではなく、どんどん世界に出て自ら何かを生み出していくような生き方があると知る、ビジネスとはお金儲けではなく、人々・世界を救うために欠かせない方法であり、もっともっと起業家が日本には必要なんだと知る・・・このプログラムを通して、日本の、それも大学に入学したばかりの可能性に満ちた多くの学生たちがこれらの気付きを得て、日本の教育、社会というものがより良くなっていくことを目指します。
現在は、慶應義塾大学大学院理工学研究科の修士課程にてバイオメディカル・エンジニアリングの研究を行っております。
科学技術をバックグランドにビジネスを通して、広く社会に貢献したいという思いから、学部生時代は二年間、ダブルディグリー・プログラムとしてフランスのグランゼコール、Ecole Centraleにてゼネラリスト教育を受けました。
さらに、教授に無理を言って帰国を延長し、世界一愉快な国、ブラジルへ三カ月行って参りました。理由は、BRICsと言われるように経済発展著しいブラジルの現状はどのようなのか、あらゆる人種が混ざり合っている、言わば世界の未来のような国の文化・生活はどのようなのか、ちょうど日系移民100周年ということで自分と血がつながった(?)人々は今どのような思いでどのような生活をしているのかを知りたい・・・そして何よりもフランスで出会った多くのブラジル人留学生が本当にSympaで第二の故郷なのではないかと思わされるくらいの魅力を持っていたからです。
この二つの国でそれぞれ異なる現象、しかしどちらも日本には無いものを見ました。
フランス(おそらくイギリスなどもそうかもしれません)は、日本以上に学歴・階級社会です。一度、厳しい競争を勝ち抜いてグランゼコールに入学すると残りの人生の安泰は約束されています。誰もが彼らをエリートとして認め、彼ら自身もそのような自覚を持って生きていくという構図が成り立っています。
逆に、ブラジル(おそらく中国などもそうなのでしょう)は、貧富の差を乗り越え、少しでも社会的に上位の地位に昇りつめようと努力しています。アパートの同居人たちもテストでもないのに毎日夜遅くまで勉強していました。何よりも彼らから感じたのは、ブラジルを少しでも良くしたい、ブラジルに少しでも貢献したいという思いです。そこには強烈な自分自身に対するハングリー精神、国に対するハングリー精神がありました。
私は日本人ですし、日本が大好きですし、日本に対する責任があるので、日本の悪口をここで言うつもりはありません。ですが、この両国で見た現象のどちらもやはり今日本には欠けています。一流校と言われても、何かが約束されているわけでもなく、社会が本当に彼らを認めているわけでもなく、彼ら自身も全く日本を背負っているという自覚はない。逆に、受験という競争を終えてから、問題意識を持って何かに取り組んでいく学生はまだまだ少なく、ハングリー精神というものが大きく欠けているという事実は否めません。
何も期待されず、社会に対する責任もなく、さらに成熟社会において問題意識、ハングリー精神を持ちにくい状態に置かれている日本の学生たち。
そのような日本の未来に対する危機感の中で出会ったのがSTeLAという学生団体でした。こんなにも日本や世界の問題に対して当事者意識を強く持ち、自ら率先して行動している学生がいたのかという驚き。そして、STeLAを通して、出会った他の学生団体の学生も含め、日本にはまだまだ(いや、今だからこそ)こんなにも意識の高い学生がいたのかということ。それぞれが今は分散して活動し、それぞれが行っていること、その社会的価値というものはまだまだ小さいかもしれません。しかし、一人の力は小さく、一時的な効果は弱いかもしれませんが、これらの個が徐々につながってゆき、長期的に成果を積み上げていく先には必ず今より素晴らしい世界が待っていると確信しています。
その一つの発展が、このD-Labです。
途上国への貢献が絶対的な目的であることに間違いはありませんが、このプロジェクトな何よりも途上国以上に日本(の未来)を救うと思います。
成熟した社会、受験・就活・終身雇用というレールに縛られてきた構造、理系・文系というくくり、海外への抵抗感、起業など前例のない新たなことに対する恐れ、これら多くの問題を抱えている日本の学生達。彼らが、自分たちの技術を活かせる場所を見つける、世界にはまだまだ多くの問題があるのだということ、それらに自分たちが貢献できるのだということに気付く、理系・文系なんて関係なく技術を持ってしてどんどん社会問題に取り組んでいく必要がある、みんなと同じ道ではなく、どんどん世界に出て自ら何かを生み出していくような生き方があると知る、ビジネスとはお金儲けではなく、人々・世界を救うために欠かせない方法であり、もっともっと起業家が日本には必要なんだと知る・・・このプログラムを通して、日本の、それも大学に入学したばかりの可能性に満ちた多くの学生たちがこれらの気付きを得て、日本の教育、社会というものがより良くなっていくことを目指します。
Wednesday, February 10, 2010
D-lab Developing World Prosthetics 初日
2月に入り、MITの春セメスターが始まりました。
前回のエントリーでD-labは3つのカテゴリーがあり、合計10のクラスがあるということを書きました。私(遠藤)はD-labのDesignのカテゴリーの中のDeveloping World Prosthetics(DWP)というクラスのインストラクターをしているので、このブログでクラスの様子を紹介していこうと思っております。
クラス初日は、去年と同じようにD-labとDWPの説明、バイオメカニクスの基礎、コラボレータJaipurFootの紹介、そしてDWPが過去に行ってきたプロジェクトの紹介をしました。スライドはコースのwebsiteにアップロードしてあるので、よろしかったらぜひ見てみてください。
以下の動画は、2年前にインドにいったときに行った大腿義足の実験の様子です。
アメリカや日本では、長ズボンを着、クツを履いて外出することが多い為にそこまで義足の見た目を気にする人は多くないですが(インドに比べたら)、インドの人は短パンをはいて裸足で歩くことが多く、義足の見た目を非常に気にします。義足が足のような色・形でなければ受け入れられないのです。そのために、われわれは、すねと大腿の部分は従来のものを使用し、関節部分だけを設計し直すことにしました。材料は彼らが普段からつかっているHDPE(High Density PolyEthylene)を使うことにしました。このような制約条件の中で、現地の人々が求める技術を開発し、実際に現地で実装する過程がD-labの重要な部分なのです。
あれから2年経って、この大腿義足を設計した学部生がすでに卒業してしまい、プロジェクトの存続の危機もありましたが、なんとか今年新しいプロトタイプを夏までに作って、技術を現地に根付かせたいと頑張っております。
授業が終わった後、参加できなかった学部生数人からクラスを聴講したいというメールをもらいました。数日後には学生の数も固定されるので、次週クラスでは学生をチーム分けしてプロジェクトを割り当てる予定です。
前回のエントリーでD-labは3つのカテゴリーがあり、合計10のクラスがあるということを書きました。私(遠藤)はD-labのDesignのカテゴリーの中のDeveloping World Prosthetics(DWP)というクラスのインストラクターをしているので、このブログでクラスの様子を紹介していこうと思っております。
クラス初日は、去年と同じようにD-labとDWPの説明、バイオメカニクスの基礎、コラボレータJaipurFootの紹介、そしてDWPが過去に行ってきたプロジェクトの紹介をしました。スライドはコースのwebsiteにアップロードしてあるので、よろしかったらぜひ見てみてください。
以下の動画は、2年前にインドにいったときに行った大腿義足の実験の様子です。
アメリカや日本では、長ズボンを着、クツを履いて外出することが多い為にそこまで義足の見た目を気にする人は多くないですが(インドに比べたら)、インドの人は短パンをはいて裸足で歩くことが多く、義足の見た目を非常に気にします。義足が足のような色・形でなければ受け入れられないのです。そのために、われわれは、すねと大腿の部分は従来のものを使用し、関節部分だけを設計し直すことにしました。材料は彼らが普段からつかっているHDPE(High Density PolyEthylene)を使うことにしました。このような制約条件の中で、現地の人々が求める技術を開発し、実際に現地で実装する過程がD-labの重要な部分なのです。
あれから2年経って、この大腿義足を設計した学部生がすでに卒業してしまい、プロジェクトの存続の危機もありましたが、なんとか今年新しいプロトタイプを夏までに作って、技術を現地に根付かせたいと頑張っております。
授業が終わった後、参加できなかった学部生数人からクラスを聴講したいというメールをもらいました。数日後には学生の数も固定されるので、次週クラスでは学生をチーム分けしてプロジェクトを割り当てる予定です。
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